動物病院/福岡県/福岡市/南区/老司/犬/猫/エキゾチック/ペット/児玉どうぶつ病院

D-1 消化管内線虫大量寄生例


写真1、2  

ギリシャリクガメ ♀
Testudo gracea

背甲長 9.9cm 193g



写真3 腹甲を外したところ。

     A:心臓 B:肝臓 C:腸管
     D:膀胱

写真4 

膀胱壁は薄くなり透明で、内部の尿酸が透けて見えています。



写真5 

膀胱を観察して上に持ち上げたら、膀胱と直腸の間に大きな線虫がいました。写真は、膀胱の下から引き出して見やすくしてあります。


写真6 

C:腸管とD:膀胱の間にはさまれて存在していました。


写真7 その虫体

消化管内に寄生する虫に思えるのですが、幼虫時代には体内のいろいろな場所を移動するのかも知れません。しかし、それにしてもこの虫体は8cmほどあり、既に成虫のようです。だとすると、本来の場所に寄生していない迷入寄生であるとか、もしくはどこか消化管に寄生していたものが消化管を破って出てきたのかも知れません。


写真8 摘出した胃と穴(カンシで示す)

そこで、消化管を全て摘出して、どこかに穴があいて いないかどうか調べたところ、胃に穿孔していました。しかし、生前に穿孔して虫体が出てきていたのだとすると、胃から漏れ出る細菌や胃液で、他の内臓がかなりダメージを受けているはずなのですが、写真5でも判るとおり、腹膜炎を起こしている感じは見た目ありません。これが寄生虫のあけた穴だとすると、カメが死亡後に穴をあけた可能性が強いように思います。もしくは、消化管を摘出する際に(気をつけてはいましたが)誤って傷つけて出来た、虫とは関係ない穴ということも考えられます。


写真9 

摘出消化管。 
E:胃  F:直腸
写真10、11 

大腸部分の拡大。腸壁を透かして、なにやら寄生虫が多数・・・


写真12 

大腸の膨れていた部分を切開すると、大量の線虫が寄生していました。


写真13 
G:ギョウチュウ(小さく短く無数にいる虫)
H:線虫の1種

写真14
団子状になったBの虫。先ほどの写真7の虫と同種のように思います。
ものすごい量の寄生虫ですが、写真12~14をみると、ここが大腸(盲腸)の部分なのにいっさい食物残渣がないのがすごいことです。胃から最後の直腸まで、まるで洗ったかのように、寄生虫以外のものは残っていませんでした。

写真15、16

消化管内に寄生していたギョウチュウ以外の線虫を取り出したもの。どれも大きく、長さは10cm近くあります。

      写真17 
便検査で認められた線虫卵2種
G:ギョウチュウ卵
H:線虫卵(寄生していた大きい線虫の卵だと考えられます
  写真18  
ギョウチュウ卵拡大


      写真19  
今回寄生していた大型線虫の卵の拡大




掲載されているすべての内容について
無許可で複写・転載することを禁じます。