爬虫類症例集

どんな内容が載っているの?

見て頂くとおわかりになりますが、ほとんどが解剖症例です。
これらの動物は、爬虫類専門ペットショップの協力により、今後の爬虫類診療の進歩に役立てば、という事から死亡後提供して頂いたものです。ショップからゆずられる個体は、輸入され入荷された時点からずっと調子が悪く、立て直しができなかったものや、多くは一度購入されて行った後に、それぞれの環境、飼育方法で具合をくずしてしまい、ショップに戻されて来たものです。
ですから、直接飼育者の方々と、その死亡した個体の生前の状態や飼育環境、方法等を聞く機会がないため、死亡原因を特定、推測することは困難です。またそう言った入手経路から、死亡直後に解剖検査ができるわけでもないために、内臓などの各組織が変性している場合がほとんどで、それら組織を病理検査に提出して細胞レベルでの検査を行うこともなかなかできない(組織が腐ったりしていると、検査しても正しい診断ができないため無意味になってしまいます。)場合が多く出てきます。
つまり、この症例集は明確な解答の出ていない不完全な内容のものが中心になっているのです。

どうして不完全な内容を載せるの?

当初は、ごく個人的な勉強と、協力して頂いているペットショップに判った情報をフィードバックしてよりよい飼育方法や治療に役立てようという理由から始めた事でしたが、いくつかの症例に共通して見られる所見や、解答が得られなくとも考えさせられる事柄も多々あるため、不完全ではあっても有用な情報ではないかと考えたからです。
死亡したこれらの症例に見られる所見から逆にさかのぼって、「こういうふうになってしまうと死亡する原因になるかも知れないから、注意しよう」と考えてもらえればうれしいことです。
たくさんの「わからないこと」を集めることから、わかってくることもあるのではないでしょうか。

症例リスト

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